有機ELって何?メリット・デメリットと、今後の活用方法について考えてみる!
こんにちは、スタッフの川田です。
今回は、有機ELパネル採用「PX277 OLEDMAX」について詳しくお話したいと思います。
その前に、「そもそも有機ELとは何ぞや?」のところから説明していきたいと思います。
有機ELとは?
「モニターのパネルの種類って何が違うの?」の記事でも少しだけ触れましたが、液晶ディスプレイと有機ELディスプレイはまったく違う構造を持っております。
普段から馴染みのある液晶ディスプレイとは取り扱い方や映りがまったく違うため、初めて有機ELディスプレイを取り扱う方には、特に読んでほしいと思います。
有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence)とは、ホタルやヒカリゴケのように熱を出さずに自ら発光する有機化合物を用いたディスプレイのことを指しております。
1番のポイントは、画素単位で自ら光ったり消したりできることです。そのおかげでバックライトが必要なく、バックライト分の厚みが不要になるので非常に薄く製造できるのと、応答速度をものすごく速くすることができます。
さらに、色域を非常に広くできるため、驚くような映像美が楽しめます。
最近では4Kテレビでの採用が加速しており、PC用液晶ディスプレイでも27インチや31.5インチで採用が増え始めていますね。
有機ELのことをOLED(Organic Light Emitting Diode)と呼ぶこともあり、業界の間では国を問わずオレッド、オレイドと呼んでいます。なお、OLEDも有機ELも同じことを指していると思っていただいて問題ありません。
PX277OLEDMAX
Pixioでも遂に有機ELディスプレイの販売をスタートしました。
27インチWQHD解像度でリフレッシュレート240HzのPX277OLEDMAXです。
✅27inch
✅240Hz
✅WQHD
✅OLED
✅0.03ms(GTG)
✅KVM
✅Type-C(65Wでの給電対応)
企業努力でかなりのコストカットを行い、有機ELディスプレイでこの価格を実現できました。
有機ELでKVM機能も搭載されていてこの価格はものすごくお買い得です!
PX277 OLED MAX
27インチ 240Hz 0.03ms(GTG) WQHD OLED
有機ELディスプレイのメリット
本体を薄く製造できる、軽量で製造できる
1番のポイントは、画素単位で自ら光ったり消したりができるので、バックライトやカラーフィルターが必要ないことです。そのため、非常に薄く製造することができるんですね。
また、本体そのものを軽く製造することもできるため、壁掛けのディスプレイとして取り付けることができるようになります。(※とはいえ壁の強度が足りない場合、補強が必要な場合もあります)。
広色域で正確な色再現性がある
バックライトで全体的に光らせる液晶ディスプレイと違い、有機ELディスプレイは画素ごとに発光をするため、まわりの光に影響されずに色や輝度を変えて映すことができるんですね。そのため、赤は赤、緑は緑、白は白!というように、はっきりとした色を映すことができます。
完全な黒が表現できる
VAパネル以外の液晶パネルの場合、黒を表現する際に素子の間からバックライトが漏れ出すので完全な黒が表現できなかったのですが、有機ELパネルの場合は素子をOFFにすると完全な黒になるため、映像の表現力がアップし、コントラスト比の向上にも役立っております。
応答速度が驚異的な速さ
有機ELパネルは液晶パネルと違い、電圧をかけると物理現象で発光をするため、応答速度はμs(マイクロ/秒。1μs=1,000,000分の1秒)と圧倒的に速くできます。
そのため、PX277OLEDMAXの応答速度はGtG(グレーtoグレー)でも驚異の0.03ms!液晶パネルよりも優位な点の1つですね。
有機ELパネルのデメリット
2024年現在、液晶パネルよりも高価になるのがデメリットの1つでもあります。
これは、製造コストが液晶パネルよりも現段階で高いからなのですが、製造台数が増えるにつれ製造コストが下がる傾向にありますので、液晶パネルのコストを下回るにはまだまだ時間がかかりそうです。
耐久性は液晶パネルのほうが有利(今のところ)
通常の液晶パネルは、1日8~10時間使用することを想定して製造設計されておりますが、有機ELパネルは1日の使用時間が液晶パネルの約半分という製造設計になっているようですので、長時間の使用にはまだまだ向いているとは言えない状況のようですね。
液晶パネルよりも焼き付きが起きやすい
液晶パネルの場合、普通に使用している分には、焼き付きは特に気にしなくても大丈夫なレベルにまで進歩しております。
特にIPSパネルとTNパネルは、通常使用している分には問題ないレベルに達しており、比較的焼き付きが起きやすかったVAパネルもかなりの進化を遂げております。
ただし、まったく起きないという訳ではありませんので、同じ映像を映しっぱなしにはしないようにご注意ください。
有機ELパネルの場合、同じ映像を30分以上映しっぱなしにすると焼き付きが起こると言われており、デリケートに扱う必要があります。
そのため、元々の設計で、画面ケア、画面ディープケア、スクリーンセーバーが設定されており、画面の焼き付きを防いでおります。
消費電力がやや高い
今のところ、残念ながら液晶ディスプレイよりも消費電力が高い傾向にあります。
有機ELディスプレイは画素自らが発光をするため、画素ごとに電流を流して発光させる必要があります。
一方、液晶ディスプレイはバックライトからの光を一気に出し必要に応じて光を通す通さないの制御をする構造のため、有機ELのほうがより多くの電力を必要としてしまいます。
また、有機ELは光を直接発生させるため、その効率は液晶ディスプレイよりも高いと言われていますが、まだ改善の余地があるような現状です。そのため、特に明るい画面を表示する際により多くの電力が必要としています。
液晶ディスプレイは長期間の歴史の中で開発が進んできましたが、有機ELディスプレイはまだまだ新しく技術的に完成しきっていないため、今後の技術革新により消費電力も改善されていくかもしれません。
未来の有機ELディスプレイの活用方法
有機ELディスプレイのメリット欄でもふれましたが、有機ELパネルは折り曲げることができるため、折り畳み式のディスプレイを製造することも物理的には可能です。現在の技術では耐久面に問題があるためまだまだ先の話ですが、紙をくるくる巻くように有機ELパネルもくるくる巻いてカバンの中に入れて持ち運ぶ時代がひょっとしたら来るのかもしれません。
そうなると、新聞を見るような感覚で有機ELパネルを開いてダウンロードされたニュースや映像を見ることができるようになるかもしれません。
また、好きなところにディスプレイを設置したり、ポスターを貼る感覚で壁に貼るデジタルサイネージディスプレイを設置することも可能になってきます。
さらにもっとすごいのが、透明なディスプレイを製造することも可能になるため、近未来のSF映画に出てくるようなガラスに貼った映像で会議を行う…なんてことも夢物語ではなく本当に到来する時代が来そうな勢いです。
本当の意味でようやく有機ELディスプレイの製品が本格的に導入され始め、特殊な製品ではなくなりつつある昨今、次第に有機ELが一般的な製品として世界各地で認知と拡大が今後も進んでいくと見込まれております。
今後、Pixioでも他サイズや解像度で有機EL製品の活用を検討しておりますので、ご要望やリクエストがあれば、ぜひPixioサポートセンターやX公式アカウントにご連絡くださいね!
・Pixioサポートセンター(https://pixiogaming.jp/pages/support2)
・X公式アカウント(@PixioJapan)