
ゲーミングモニターとテレビ、10個の違いを初心者向けに解説
こんにちは、スタッフの川田です。
今回は、ゲーミングモニターとテレビの違いについて詳しくお話したいと思います。
入力端子
まず、PC用モニターとテレビとでは、入力端子が決定的に違います。
現在のテレビは、HDMI端子を基準に製造されており、スピーカーやBDレコーダー、Nintendo SwitchやPlayStation4または5、XBOXなどを接続する為にHDMI端子を使用します。
そのため、現在のテレビにはHDMI端子が4か所など複数ある製品も多く、さまざまな周辺機器を接続できる様になっています。
対してゲーミングモニターは、基本的に高性能グラフィックボードとの接続を必要としているため、DisplayPort端子を接続することを想定して製造されています。
また、DisplayPort端子をPCに接続して、他ハード機器を接続できる様にHDMIやUSB Type-C端子を搭載しているグラフィックボードもあります。
パネルの種類・反射率

基本的に、ゲーミングモニターは非光沢処理されたものが多く、テレビは光沢・半光沢処理されたものが比較的多い傾向にあります。
その最たる理由として、PC用モニターは文字や編集業務などで使用するため、反射すると見づらくて目も疲れやすくなるため、あまり好まれない傾向にあるという点があります。
そのため、近年ではPC用モニターでは光沢・半光沢パネルの採用はされなくなりました。
対してテレビはというと、光沢・半光沢のほうが映像がキレイに見えるため、家電量販店に並べている際に売れやすくなり、またクチコミでもキレイ見えるというコメントが増えることから、テレビでは光沢・半光沢処理されたパネルを採用するケースが多い傾向にあります。
また、一般的な液晶モニターやゲーミングモニターはVAパネルよりIPSパネルの需要が高いのですが、テレビの場合は逆転してIPSパネルよりVAパネルのほうが販売台数も製品数も多く人気があります。
テレビは映像を観ることが目的のため、黒を完全な黒として表現できることで映画など映像がキレイに見える点や、コントラストが高くキレイに見える点など、VAパネルのメリットがそのまま高評価につながっています。
サイズ
ゲーミングモニターは23~27インチが最も多く、このサイズのテレビはあまり多くはありませんので、少なくても27インチ以下の製品を探すとなると、PC用モニター一択になるかと思います。
逆にテレビの場合、32インチ以上の製品が多く、中には100インチを超える製品もあります。
B-CASカード(ACASシステム)
B-CASカードとは、著作権保護や視聴制限などデジタル放送を受信するために利用されるICカードです。近年ではカードタイプの使用がなくなり、代わりにACASシステムという内蔵タイプが採用されています。
このACASシステムやB-CASカードがついているのがテレビという事になります。
PC用モニターはテレビを観ることを想定されて製造されていないため、ACASシステムやB-CASカードは搭載されていません。
内蔵アプリ
最近のテレビはAndroid内蔵の製品が増えてきており、配信系アプリで映像を視聴できる様になってきました。
対してPC用モニターというと、配信系アプリというものがモニター本体には入っておらず、すべてPC本体で運用して映像を映すことになります。
そのため、モニターのみで映像を観て楽しみたい方はテレビ一択になります。
とはいえ、PC用モニターはPCで出力映像を選ぶことになりますので、基本的にPCありきで運用するように設計されています。
スピーカー
PC用モニターやゲーミングモニターは、モニターからユーザーの距離が1mも離れないため、大音量で鳴らすことを想定しておりません。>モニターによってはスピーカーなしのモデルも存在します。
そのため、大半のモニターは3W以上のスピーカーを搭載しておらず、これ以上大きな音を鳴らしたい場合は外付けスピーカーを別途用意する必要があります。
対してテレビの場合、1m以上離れて視聴することを想定しているため、5W以上を出力できるスピーカーを搭載しているケースが非常に多く、中には10Wや15Wなど大音量でならせる製品も数多く販売されています。
リモコン
PC用モニターやゲーミングモニターは、1m以上離れて使用することもなく、基本的に手を伸ばせば触れる距離でOSDメニューを設定できるため、付属リモコンはついていません。付属リモコンをつけると本体価格に上乗せしなければならなくなり、販売の際に足かせになってしまうため、削減される傾向にあるのも理由の1つです。
PC用モニター、ゲーミングモニターでも32インチ以上になってくるとリモコンが付属される製品も増えてきます。
対してテレビの場合、1m以上離れて使用することを前提としていますので、基本的にはリモコン有りの仕様となります。
リフレッシュレート
テレビの場合、基本的に30fpsで放送されており、60i(インターレース方式)または60p(プログレッシブ方式)が基本となります。
しかし、PS5やXBOX Xが120p対応という機能を搭載してきたため、最近では120p対応のテレビも増えてきました。
対してゲーミングモニターの場合、144Hz以上が当たり前の時代になってきており、240Hzや360Hzという製品も定番化してきています。
そのため、超高速リフレッシュレートでは、2025年3月の時点ではゲーミングモニターが圧倒的有利な状況にあります。
解像度
アスペクト比16:9のPC用モニターやゲーミングモニターの場合、1920×1080のFHD、2560×1440のQHD、3840×2160のUHDの3種類が主に採用されています。
しかし、テレビの場合、アスペクト比16:9の1920×1080のFHDと3840×2160のUHDの2種類しかなく、2560×1440のQHDは採用されておりません。
地デジ放送は1920×1080のFHDから始まり、のちに3840×2160のUHD(4K2K)が採用されました。従って、2560×1440のQHDタイプのテレビはこの世に存在しないのです。
PC用モニターの場合、FHD→QHD→UHDと順番に進化をしてきたため、中間となるQHDが今でも採用されています。
余談になりますが、4K2Kの液晶モニターが登場した2014年~2015年頃、「QHDは衰退していく」と推測されていたのですが、予想を大幅に覆し、逆に拡大しました。
4K2Kが市場に認知され始めた頃、FHD→UHDに買い替えたユーザーから「4K2Kになって画面表示域が実質4倍に増えたのはいいけど、文字やアイコンが1/4になって見えづらい、文字やアイコンを大きくすると4K2Kの表示が見えづらいことがある」という不満が漏れ始め、「それならちょうど中間にあたるQHDが最適解なのでは?」という答えに辿り着くユーザーが増えてきたためです。
色彩規格
一部のPC用モニター、ゲーミングモニターには、AdobeRGB表示モードがついている製品があります。対してテレビの場合、AdobeRGBの機能はありません。
また、一般的な液晶モニターは色温度6500Kが基準となっていますが、液晶テレビは9300Kが基準となっており、液晶テレビのほうが青白くなるように表示しています。
まとめ
入力端子 | DisplayPort端子がメイン | HDMI端子がメイン |
パネル | IPSパネル・非光沢が人気 | VAパネル・光沢・非光沢パネルが人気 |
サイズ | 23~27インチが主流 | 32インチ以上が主流 |
B-CASカード | なし | あり |
内蔵アプリ | なし(PC併用) | Android内蔵製品が増加傾向 |
スピーカー | 3W以下 なしの場合も |
5W~10W以上 |
リモコン | ないことがほとんど | あり |
リフレッシュレート | 144Hz以上 | 60p~120p程度 |
解像度 | FHD:1920×1080 QHD:2560×1440 UHD:3840×2160 |
FHD:1920×1080 UHD:3840×2160 |
色彩規格 | 6500K・RGB機能あり | 9300K・RGB機能なし |
ゲームをプレイするのであれば、2025年3月現在では、ゲーミングモニターが圧倒的に有利な状態にあります。PC接続でご使用になるようでしたら、ゲーミングモニターのほうがオススメです。
逆に、テレビで映像を観ることが多く、たまにPS5やXBOX、Switchなどの家庭用ゲームコンソール機でプレイをするという方の場合は、テレビのほうがオススメになります。