ベゼルって何?

こんにちは、スタッフの川田です。

今回は、液晶ディスプレイを語るうえで頻繁に現れる「ベゼル」という単語について詳しくお話したいと思います。

ベゼルとは?

液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの左右上下の枠の部分のことをベゼルと呼んでいます。

また、このベゼルの幅をベゼル幅と呼んでおります。

ベゼルの縁を薄くできる様になってきたのは、ほんのここ数年の間だけでして、今までは太いベゼルが当たり前でした。

そのため、ベゼルを薄くするのではなく、単なる光沢プラスチックではないマットなプラスチックに変えるとか、各メーカーは素材を少し変えてデザインとしてスタイリッシュな感じに見せる努力をしてきました。

なぜベゼルを薄くできたの?

実は、ベゼルを薄くすることができなかった最大の理由は、「パネルの隙間から光が漏れる」からなんです。

今までの技術ですと、左右上下のパネルの隙間から光が漏れ出ていたため、ベゼル幅を太くすることで、光の漏れを防いでいました。

特にIPSパネルの光の漏れが多かったことも影響していました。

それが、パネルメーカーの進化により、IPSパネルでも光の漏れが徐々に抑えられてきたことにより、併せてパネルの幅も10mm→7mm→5mm→3mm→1mmと進化を遂げ、ベゼル幅がどんどん薄くなっていきました。

ベゼルの幅の測り方

ベゼルの幅はメジャーを使って測ることができます。

昔ながらのくるくる巻きのメジャーを使ってもいいですし、0.1mm単位で測りたい場合は電子メジャーを使うのがよいでしょう。

ベゼルの幅だけを計ればよいのですが、実際にはベゼルとディスプレイの間の空間も知っておいた方がよいと思います。

また、パネル自体の左右上下には映像が映らない部分もあり、電源ONの際にはこの部分が何も映らないため、実際には黒く見えます。

そのため、この何も映らないパネル部分も知っておくと、より細かい幅の数値を知ることができます。

この何も映らないパネル部分を、一般的には非表示エリアと呼んでいます。

(例)PX248 Waveの場合…

・ベゼル幅…上/2mm+2mm、下/12mm、右/2mm+2mm、左/2mm+2mm

・空間…上/0mm、下/0mm、右/0mm、左/0mm

・非表示エリア…上/4mm、下/0.5mm、右/4mm、左/4mm

・合計上…/6mm、下/12.5mm、右/6mm、左/6mm



将来的にベゼル幅はなくなるのか?

可能性としてゼロではありませんが、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイの製造にあたり、そもそもゼロにする必要がないのでは?と一担当者としての意見を持っております(Pixio全体の意見ではありません、悪しからず…)。

実際にゼロにしてしまうと、少しの衝撃でパネルにダメージを与えてしまうのと、画面の横を持つ場所がなくなるため、持ち運びするときに左右を持つことができなくなってしまいます(それでも左右を強く持たない様に注意する必要はありますが…)。

また、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイには,メニュー画面の変更の信号をパネルに送る必要がありますので、OSDメニューボタンの基盤が下部に備え付けられております。

実際には、パネル・基板・LEDライトが下向きのコの字型の金具で止められておりますので、OSDメニューボタンの基盤をどこかに移動させない限りは下部のベゼルをゼロにすることはできないだろう…と推測しております。

ただ、有機ELパネルは、技術的にはくるくる巻いたり折り曲げることもできるため、将来的には紙を貼り付ける感覚で壁に有機ELパネルを貼り付けることができる様になると、その時はベゼルというものが要らないようになるのでは…と思いますね。

その様な製品が誕生すると、ディスプレイの概念がガラッと変わってしまいそうで、楽しみ半分怖さ半分という気持ちです。



最後に

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