4Kモニターを選ぶメリットを解説!デメリットも合わせて購入前に要検討

こんにちは!Pixioの川田です。

今回は、4Kモニターについて詳しくお話していきたいと思います。

解像度とは?

解像度というのは、画素数の事を指します。英語ではpixel(ピクセル)と呼びます。
液晶モニターの仕様表を見てもらうと、解像度:〇〇〇〇×〇〇〇〇と数値が書いてあるのですが、この数値を掛け算すると画素数が分かります。


代表的な解像度

FHD WQHD UHD
フルハイディフィニション ワイドクオッドハイディフィニション ウルトラハイディフィニション
1920×1080 2560×1440 3840×2160
2,073,600 画素 3,686,400 画素 8,294,400 画素

2024年現在、もっとも代表的かつ製造台数が多い解像度はFHDで、次いでQHD、UHDの順になっています。

4Kは4000×2000という意味で、UHD解像度の事を4K(あるいは一般的には4K)とも呼んでいます。

詳しい説明は、モニターの解像度の選び方で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

モニターの解像度の選び方

日本の「4Kモニター」の歴史

パソコン用4K液晶モニターが日本で初めて発売されたのは、2012年だったと思います。
4K映像を作るには、まず4K液晶モニターがないと確認作業ができませんので、主に映像制作やCAD編集の分野をターゲットにしたプロ向けの製品が最初に発売されました。
当時は、4Kの映像を作成しても映すことができるグラフィックボードが限られており、市販のノートPCで4Kを映せる製品はなかった(もしくは、あったとしてもごくわずか)と記憶しています。

最初は32インチからスタートし、市販品としてようやく注目されるようになってきたのが2014年。TNパネルを採用した28インチ4Kモニターが登場しました。
10万円以下で購入できる製品が次々と発売され、遂に4Kの映像を家庭のPCで映すことができる時代に突入しました。

とはいえ、当時発売されていたグラフィックボードは、そのうち一部しか4Kに対応していませんでした。

一部の高性能ゲーミングPCや、ワークステーションと呼ばれる業務用の高性能PCしか対応できておらず、主にCAD用や映像制作業務やデザイン関係がユーザーの中心である状況は変わりません。
PCゲームでも4Kに対応しているソフトは少なく、ごく一部のゲームのみが4Kの美しさを表現できるといった具合で、一般的な認知としてはまだまだといった状況でした。

2014年当時の映像業界向けのプロ向け展示会、PC関係者が集まる販売者向けのプロ向け展示会ですら「4Kって何?」という声も聞かれ、「4Kって要るの?」という懐疑的な市場の声が大半でしたので、日本でのパソコン用4K液晶モニターの認知や需要は、本当にゆっくりと少しずつ拡大していったのです。

その後、23.8インチ/IPSパネルの4Kモニターが市場に投入されていったのですが、比較的早く市場から淘汰され、今では見る影もなくなりました。

市場に受け入れられなかった理由として、23.8インチだとFHDと4Kの違いがあまり感じられないという問題があります。
「違いがわからないならFHDで十分じゃない?」という理由で早々に市場から撤退してしまい、「4Kなら27インチ以上」という現在の一般的な基準ができていきました。

その後、27インチ/IPSパネルの4Kモニターが登場し、ようやく2016年以降に4Kが一般化してくる時代に移り変わっていきます。



なぜ4Kが市場拡大しなかったのか?

理由としては、ハード面とソフト面でいくつか原因が考えられます。

出力可能な映像端子が限られていた

2014年当時、HDMIの最新バージョン1.4は4K/30Hzまでしか対応しておらず、4K/60Hzを出力するにはDisplayPortのバージョン1.2しか対応していませんでした。これが、なかなか市場拡大しなかった1番の原因かと思います。

圧倒的多数のノートPCにはDisplayPort1.2が採用されていなかったため、DP1.2しか対応していない=デスクトップPCしか対応していないということで、「一部の業務向けのみ需要がある」という状況でした。

4Kを映せるグラフィックボードが少なかった

2014年当時でも4Kが映せるグラフィックボードは発売されておりましたが、それは一部のグラフィックボードのみでした。
そのため、使えるユーザーが極々限られてしまうという①と同様の理由で、なかなか市場拡大には至りませんでした。

4Kで観る映像が少なかった

動画配信サービスの多様化などもあり、最近になってようやく4Kの映像コンテンツが一般化してきましたが、2014年当時では4Kの映像は非常に少なく、気軽に4Kの動画を観て楽しむことはできない状況でした。

4Kに対応したゲームが少なかった

当時は、4K対応のゲームはPC用の一部でしか発売されておらず、選択肢はほぼありませんでした。そのため、4Kを身近に感じることも少なく、ユーザーの興味を惹くことができなかったのです。
PlayStation4 Proが発売したのが2016年11月でしたので、2014~2015年頃の4Kのゲーム対応は、まだまだ一般的ではなかったと想像できるかと思います。

その後、オープンワールド系PRGゲームや、都市開発ゲームのような細かい描写で威力を発揮するゲームから、順に4Kに対応していきました。

表示画像や文字が小さくなる

これは今でも同様の問題を抱えていますが、PCの画面を4Kに映すと表示する映像や画像、文字が約1/4になってしまうため、慣れていないと「何だこれ!?使いにくい!」と感じるかもしれません。

文字や画像を最適な大きさで映せるように、文字サイズを作業しやすいサイズ調整する、という最初の設定をしておかないといけないため、展示会やモニター売り場でパッと見ただけだと悪印象を持たれてしまうことも理由としてあったかと思います。



徐々に受け入れられてきた4Kモニター

4Kモニターが市場で最初に受け入れられたのは、実は40インチという大型サイズでした。

発売当初、「40インチ以上なんて大きさの家庭用PCモニターの需要があるのか?置き場所ないでしょ?」と思われていたのが、なんとしっかり需要があったんですね。

40インチ以上となると、FHDではかなり粗く映ってしまいますので、4Kの細かさが威力を発揮するサイズでした。

とはいえ、どうやって使うのか?と半信半疑な状態で市場投入されたのですが、大きめの画面でPCゲームを楽しんだり、大きいサイズでCAD画面や動画を映したり、またサイネージ用途として店内で映したりと、意外にも多くの用途があり、40インチ以上の大型サイズの市場が出来上がりました。

その後、2017~2018年あたりから徐々にデザイン用途での需要が浸透していき、31.5インチ4Kの市場が確立され、その流れで少し小さめの27~28インチの市場も出来上がっていきました。

そして2020年以降、4Kといえば27インチと31.5インチを真っ先に検討し、大型サイズの場合は42.5インチ以上を検討する、という状況に確立されていきます。



4Kに最適なサイズは?

4Kモニターの最適なサイズを語る上で、

  1. ppi値を参考にした「見やすさ」
  2. 本体サイズ

の2種類から自身に合ったサイズかどうかを判断する必要があります。

ppi値を参考にした「見やすさ」

画面サイズと解像度の最適なサイズというものが実は存在しており、数値で表すことができます。
PPI値(pixel per pitch)という画面密度を表す数値によって、客観的に判断できます。
詳しくはこちらのブログ「モニターの解像度の選び方」で詳しく説明していますので、ぜひこちらもご覧ください。

23.8インチ 27インチ 32インチ
FHD 93ppi 82ppi 70ppi
WQHD 123ppi 109ppi 93ppi
UHD 185ppi 163ppi 140ppi

100ppiが基準となり、100ppiより小さいと粗く見え、100ppiより大きいと細かく見える、ということになります。

この表のとおり、27インチだとFHDは70ppiとかなり粗く見え、WQHDだと107ppiでちょうどよく見えるということになります。
しかし、32インチになるとWQHDは93ppiで少しだけ粗く見えるということになり、UHD(4K)では140ppiとしっかり細かく見えるというわけです。

つまり、最適解は32インチ、次いで27インチということになります。

本体サイズ

次に、設置スペースの関係上、物理的に無理な場合があるというお話です。

日本の机の標準的な大きさが90cm~120cmのため、横幅約94cmの31.5インチだと大きすぎてはみ出してしまう恐れがあります。

また、正面に真っすぐ向いて設置をするのか、机の左端または右端に置いて斜めに設置をするのかにもよって、机の置き場所の確保をあらかじめ考えておく必要があるでしょう。

その結果、場合によっては27インチが最適解になるケースもあると思いますので、まずはご自身の机の置き場所をしっかり確認すようにしてみてください。



4Kのメリット・使うべきシーン

4Kは約829万画素であり、FHDより約4倍の細かさ・情報量があるということは、映像の細かさを必要するものに向いていると言えます。
そのため、主に4パターンの有効活用できる場面があります。

  1. 写真、動画、デザイン、CADなどのデザイン作業
  2. オープンワールドRPGのような、細かい映像美を楽しむゲーム
  3. ドラマや映画などの細かい描写を楽しむ動画鑑賞
  4. 大画面で複数の人が同時に見るサイネージ

他にも、医療系やインフラ関係で需要があったり、一部の産業では4Kの解像度が大活躍しています。

表示サイズは変更必須!

4Kモニターをそのまま接続すると、PCの場合、映像が約1/4になってしまうため、特に文字が小さくなって見えにくくなってしまいます。
そのため、画面の表示サイズの設定変更を行うのは必須と言えるでしょう。

↑FHD/100%

↑UHD/100%

↑UHD/150%(推奨設定)

↑UHD/200%(≒FHD/100%)

↑UHD/250%

↑UHD/300%



4Kのデメリット

「解像度が高ければ高いほどいい!」というものではありません。解像度は使うユーザーにより、向き不向きが発生します。
解像度が低い場合も向き不向きがありますし、解像度が高い場合も同様に向き不向きが発生します。

4Kが向いてない理由として、主に2つの理由が考えられます。

4Kを出力できるハード機を持っていない

これは、4Kの利用を根本的に避けたほうがいい理由でもあるのですが、まず自身がお持ちのハード機(PCやゲーム機など)が4Kの出力が可能かどうかをご確認ください。

PCの場合、グラフィックボードの型番をブラウザで検索すれば、4K出力に対応しているかどうか確認可能です。
最近のノートPCは4K出力に対応しているものも増えてきていますが、少し古い型だと対応していないものも結構ありますので、しっかりとご確認いただくことをオススメします。
ゲーミングPCの場合、グラフィックボードの性能より、4Kで160Hzが出せるかをご確認いただくのが良いです。

また、PS4 ProやPS5、XBOX Xの場合、4K/2160pにも対応しておりますが、SwitchやPS4、従来のXBOXなど、4Kに対応していないゲーム機も多く実在します。4Kで映したいハード機が、4Kの出力に対応しているかどうか必ずチェックするようにしてください。

値段が上がる

4Kのモニター価格は、他のものを比べるとまだまだ高価です。比べると購入価格が上がってしまうため、本当は4Kを必要しないという場合、余計な支出になってしまう恐れがあります。
そのため、4Kの解像度をご自身で必要としているかどうかをまず確認してください。

もし、4Kは必要としないが少し高めの解像度がほしいということであれば、WQHDの解像度をオススメします。FHDとUHD(4K)の中間にあたり、価格もちょうど中間にあたります。



Pixioの4K対応モニター

Pixioから初の4Kモニターである、PX27UWAVEシリーズが2024年5月に発売されました。

PX27UWAVEシリーズの大きな特徴として、4色のカラーバリエーションが挙げられます。
従来の4K液晶モニターといえばブラック一辺倒だったのですが、ホワイトだけでなくピンクとブルーの2色を含むカラバリエーションで発売されたましたので、かわいいカラーがほしいユーザーはぜひ選択肢の1つに入れてほしいと思っています。

肝心な性能としては、最大リフレッシュレートは160Hz、最大応答速度は1ms(GTG)、パネルはFastIPSパネルを採用しておりますので、非常にキレイな映像を楽しむことができます

映像の美しさの表現にも大きな特徴があり、sRGB比は121.76%もあります。また、HDRに対応しておりますので、HDRに対応しているゲームでは特に映像美を表現することができるようになります。

入力端子はHDMI2.1×2個、DisplayPort1.4×2個を搭載しており、PS5とSwitchまたはノートPCを接続したままにできるため、毎回繋ぎ直す手間が省けます。
さらに、DisplayPort入力端子が2つあるため、デスクトップPCとノートPCなど、DisplayPort端子を使うハード機を2台接続したままにできるのも大きなメリットになります。

PX27UWAVEでプレイしてほしいゲームジャンル

PC以外にも、PS5とXBOX Xは2160p(4K)に対応していますので、ぜひオープンワールド系PRGや、リアル映像重視のFPSやTPSゲームをプレイしてみてください。映像美の違いをすぐに感じてもらえると思います。
最近だと「原神」をプレイした方からの感動コメントも多くいただいています。

他にも、都市開発ゲームやRTSゲームのような、上から見るいわゆる神目線でプレイするようなゲームだと細かな描写の違いを特に感じやすいため、こちらの映像美も十分に味わっていただけると思います。



余談)WQHD人気が上昇中

実は2020年以前、WQHDは消失していくのではないかと言われていたのですが、むしろその逆で
「FHDより細かい映像がほしいが、4Kほど細かい映像は要らない」
「4Kモニターほど予算をかけられないが、そこそこ綺麗な解像度のモニターがほしい」
という"中間性能"のモニターを求めるユーザーが近年増えてきており、人気が高まってきています。

一般的な会社で使用される机の大きさが90~120cmのため、23.8インチでもいいのですが作業効率を求めて少し大きめの27インチを使用する方には、27インチWQHDが最適になったりします。
実際にPixioメンバーは、仕事でも27インチWQHDを使用しているのですが、一番使いやすいと口を揃えて言います。




まとめ

今回は、4Kモニターのメリット・デメリットについて説明させていただきました。

使用シーンによっては、最高の映像美を体験できる素晴らしいスペックのモニターですので、環境が整った方はぜひ一度試してみてください!



今後、書いてほしいブログ内容のご要望やリクエストがあれば、ぜひコメントやX公式アカウントにご連絡くださいね!

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